栄町でも採択されなかった

 扶桑社の歴史・公民教科書

教育勅語掲載の戦前と酷似の歴史教科書

自虐的を止めたという自己陶酔型教科書

 扶桑社が今までの教科書は自虐的として、既存の教科書及びそれを採用してきた教育委員会を非難して生まれた教科書は全国のほとんどの自治体で不採択となった。

 

国・県・地方議員の請願

 この「つくる会」の歴史・公民の教科書は国会議員や地方議員で「新しい歴史教科書をつくる会」を結成し、現行の採択方法に無理難題を押しつけるような請願を上げ、キリストの幕屋(キリスト教関係の宗教団体には加盟していないのでどのような団体か調べられませんでした)なる団体まで動員して各所で請願活動を開始しました。

 

つくる会の請願栄町の場合

 昨年6月、栄町でも松島議員が請願紹介議員となり議案にすると、すぐに取り下げ、また12月に同趣旨の請願を上げるという状況が続き、結局栄町での請願は10名(松島、山本、藤村、後藤、葛生、大澤、石井、大野、藤村、岡田)の賛同を得て可決。しかしこの議案には教育民生常任委員会4名もの委員(秋山、高萩、野田、金島)が反対討論をしたが、賛成多数にて可決。

全国各地で反対運動起きる

 扶桑社の歴史と公民の教科書の白表紙本が出回り、各歴史学会から多くの間違いを指摘され教科書としては不適当とされたが、文科省はこの本を検定合格としてしまった。しかし、近年の歴史において日本周辺諸国、とりわけ韓国と中国への侵略に対し、侵略における光(占領下で学校や鉄道を敷設しことを善政としてとらえた見解)を強調しすぎて、アジア諸外国のみならず欧米諸国からも批判が続出した。しかし日本政府は現行の検定システムでは修正出来ないとして、検定合格させた責任を回避せざるを得なくなっていった。

栄町では

 教科書が検定合格したならば、あとは住民運動しかないので反対署名運動を展開すると、千42名もの反対署名が集まった。(栄町教育委員会に提出)

小泉内閣誕生との関係

 小泉さんは国民の圧倒的な支持を受けて改革を旗印にした内閣を誕生させた。その時はもう日本の至る所に小泉さんの写真が溢れ、自民党のビルの大部分を覆う写真まで登場。選挙ポスターは小泉さんの写真一色。その時、私は背筋が寒くなった。

 一国の指導者の大きな写真を街頭に飾る国は、北朝鮮・金主席、中国・毛沢東、イラク・フセインぐらい。この日本でもとうとう同じようなことになってきたと感じた。総理大臣の写真を買ったり飾ったりするのは歌手のおっかけにそっくりだ。その後も教科書問題は国際問題に発展し、靖国神社参拝に至っては、歴代総理大臣が戦後半世紀をかけて築いた国際的信用を小泉さんは一晩で失墜してしまった。

栄町では(一部重複掲載)

 6月議会の時、議会運営委員会で決定したとして栄町議会に国旗が飾られた。それは祝祭日に国旗を掲揚する会の会長が議会に国旗を寄贈したからだという。国旗を議会に掲揚するならばまずは全議員で議論してから、必要ならば議会で購入すべきと私は主張。 議長は今の議会はひん曲がっているとして議論を打ち切り、国旗は掲揚された。国旗を掲揚することは悪くはないが、でも国旗は正々堂々と掲げるべき。議会での正々堂々とは議論すること。私は議論なしで掲揚された国旗をこそこそ国旗と命名した。

 因みに七月二十日の祝日には、議会に国旗を寄贈した「祝祭日に国旗を掲げる会」の会長宅には少なくとも午前中には国旗は掲揚されていなかった。

栄町教育委員会の資料より抜粋:平成14年度の教科用図書印旛郡採択協議会の選定結果

中学生の歴史と公民の教科書:歴史・東京書籍、公民・東京書籍、その他 省略

教育委員会議事録概略:栄町教育委員会会議録より

平成13年7月19日 於・栄町役場4階会議室

出席者:委員長 塩田邦雄、 委員長職務代理 高見洋一、 委員 大須賀明、 委員 小松省三、 教育長 牧野 隆

(内容:抜粋し、要約)

委員長 5月の委員会で決めた 教科書図書取り扱い方針を確 認(左記内容・原文のまま)(中略)

大須賀委員(概略):栄町教育委員会は先頃決めた取り扱い方針に基づき、請願の内容を問わず教科書を採択するのでどのような請願をも採択出来ない。

(教科書選定結果報告のため秘密会の動議が出て可決・委員以外は退室)

教育長:(概略)選定結果を報告し、質疑を他の委員に求める。

各委員から質問:(省略)

委員長:一日6時間、二日で12時間かけて慎重に審議が行われた。専門調査員は現場の校長・教頭及び教諭の職にある人。協議会委員には保護者も含まれている。全部で二百冊を検討。現在使用している教科書から変わったものは中学校の技術家庭科だけ。後は現行のもの。栄町行政組織規則第10条に基づき教科書の採択は教育長の専決事項なので、印旛採択地区協議会が選定した教科用図書を栄町として採択させていただきます。

(秘密会を閉じた)

教科書検定に対する国の責任はどうなる?

 戦後何度となく繰り返された教科書検定についてのこのようなやりとりは、国や市町村教育委員会、国民を巻き込んでいつも泥沼に入り込んでいく。

 検定教科書見直しは4年に一度。つまり次は平成18年度の教科書のために、このような騒動は平成17年には必ず起きるのです。いつも政治家が扇動家学者を起用して、戦後の総決算をうたい文句や錦の御旗にして政治の前面に出てくるのです。

 教科書問題は国内問題だが、日本を取り巻く諸外国、とりわけ日本が侵略した韓国や中国などから教科書の内容にクレームがくる。何故か、それは日本があまりにもアジア諸国の感情を無視しているからだ。

 戦後、日本人は、戦勝国の裁判判決を利用し戦争指導者を戦争犯罪者にすることによって免罪符を得たのだ。国のための忠義を教え込んだ教育勅語。それで学んだ日本人は一夜明けると、忠義などどこ吹く風、戦争犯罪者のみに罪を負わせ、悪夢から逃れるように経済大国への道に突っ走っていった。国のために忠義を尽くそうなんて誰も考えなくなったのも事実。これが教育勅語で教育された日本人の本当の姿なのだ。

  過去のことを直ぐに忘れる習性が日本人には強くあると、友人のドイツ人が話していた。 ドイツにはエレファントの脳味噌という言葉がある。それは象は生きている場面をすべて覚えているのだそうな。だから、二度同じ間違いを繰り返さないとのこと。日本人はドアを締めて3歩進むと、全て忘れると酷評していた。忘れることは時には役に立つと反論。新しいことを取り入れる力と知恵が育つと説明。ドイツ人が言うには、日本には二度あることは三度あると言う諺があるが、ドイツでは二度と同じ間違いをするなと言う。日本人は三度まで間違いを許すが、ドイツ人は間違いは一度で充分と言っていた。

 結果的にみると、今回の教科書問題は国の内外に大きなしこりを残してしまい、日本自身とアジアの諸外国には多大な精神的な損害を与えたことになる。 検定後も続々と間違いが見つかり、訂正できない状況に追い込まれ、結局、不採択がベストの選択となってしまった。採択されない教科書を検定合格した責任は誰がとるのか。キリストの幕屋という多分宗教団体だろうが、宗教まで利用して巧妙に日本全国の地方議会に請願を上げた議員諸氏はどのように不採択を説明するのだろうか。

 いくら小泉首相のポスターや写真がミーハー的に売れても、まだまだ日本の良識は保たれていると感じた。特に栄町教育委員会のメンバーは過去においても、現在においても良識を備えたベストメンバーだったと感じた。その委員を推薦した大野町長の見識が評価された一瞬でもあったと思える。

 

映画「パールハーバー」について

 この映画は宣伝とおりの、男女の恋愛に焦点をあてた娯楽映画。しかるに実に腹立たしい映画でもあった。60年前のラブストーリーを描くのは悪くないが、その背景となる史実の描き方がまるででたらめ。

 山本五十六率いる連合艦隊が単冠湾に集結する前の会議は戦国時代のような陣幕を張った野外の作戦会議。またハワイ空襲の際、野球をやっている子供に、早く逃げろ(テロップでは家に帰れと出ていたような記憶がある)と零戦に乗った日本人が手で合図をする場面もあった(日本公開用に付け加えているとのこと)。もう興ざめだ。

 素晴らしいラブストーリーもこのようなとってつけたような時代背景を見せつけられると、なんじゃこれは、という気分になる。例えば戦争を始めた時のアメリカのルーズベルト大統領が二丁拳銃を引っさげてインディアンと渡り合う場面の映画をつくれば、それを見るアメリカ人もいい気分にはならないだろう。そのような時代背景錯誤の映画は見ても気分が悪くなる。

 このような映画にこそ「つくる会」に抗議をしてもらいたい。自国の教科書や教育委員会を自虐的に扱う前に。

 

小泉さんの21世紀のパールハーバー

 8月13日(月)に突然、小泉首相は靖国神社参拝の奇襲作戦を敢行。福田官房長官は事前に作ってあった文書を間違って読み上げ、しどろもどろになった。福田さんが読み上げると同時に首相は官邸を出発し、靖国神社へ直行。公的立場よりも私情を重視し、靖国参拝賛成反対のどちらの側からも批判される行動に及んだ。そういえばパールハーバーも日本時間の月曜日。どうせならば次回の小泉さんの参拝は12月8日にしたらどうだろうか、そして英霊に「今度は負けません」と言ったらどうだろうか。耳は二つあるから人の話は聞きますと言っていたが、舌も二枚もあるので大丈夫だろう。でも改革だけは遂行してほしい。

お知らせ

9月11日より栄町議会開催予定

*9月議会は昨年度の決算議会でもあります。平成12年度決算承認がメインの議案になります。

*小生の一般質問は教科書選定の経過に関して質問をする予定です。

日程は現在のところ不明。

(2001年9月議会の一般質問内容)

 「新しい歴史教科書をつくる会」が推薦した扶桑社の歴史及び公民の教科書は従来の教科書は自虐的であって、それを払拭しようという趣旨のものであった。それを巡って国の内外で多くの賛否両論を生んだ。栄町でも全国と同様、昨年から相次いで請願が出され、また市販本を見て反対運動が起こり、扶桑社版の歴史と公民の教科書は中学生にふさわしくないと反対署名活動が行われました。そのような背景の元栄町教育委員会において今回採択された歴史及び公民の教科書は、どのような基準で採択されていったのか。また採択されなかった歴史及び公民の教科書はどのような評価によって採択されなかったのか。

 この採択に関して教育長としてご意見を伺いたく存じます。

 また同様に町長のご意見を伺いたく存じます。

 

 最後になりましたが扶桑社の歴史・公民の教科書反対の署名してくれた1042名の皆様に感謝いたします。

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